こざかなの素

治療&療養で気ままな生活≒現実逃避中

南方的日子(3)~中国留学の記録~

【1996年9月(其之弐)】

南方的日子が始まりました。

 

9月7日(土):11/24より転記

Sが帰国する為、早起きしてA3バス停まで見送りに行く。
寝不足で既に私はヨレヨレで、これから一人広州に向かう不安と緊張とSが去ってしまった心細さで食欲もあまりなかった。朝食用のパンとコーヒーを買ってきたが、やはり咽を通らない。
出発間際、Lさんに「不舒服」と言うと、なにやら漢方薬(風邪薬?)を取り出し、お湯で溶かして飲むように勧められた。その薬を2袋とタイガーバーム(小缶)をもらい、的士で九龍駅へ向かった。

初めて来たので案内表示を探し、“直通(列車)”というのを見つけてとにかく歩いてみた。なにやら人がたくさん並んでいる所があり、並んでいる人も中国人らしき人だったので、とりあえず列に加わる。列が動くまで一時間ほど待つ。
イミグレが開き、出境手続きを済まし、人の流れに乗ってエスカレーターを降りるとそこに列車が止まっており、切符の座席Noを確認して乗車。
朝から眠くてすぐにでも眠りたかったが、荷物も心配だし緊張しているので熟睡は出来ず辛い。が、一瞬意識がなくなる眠りの時に荷物が倒れ、向かいに座っていた太太が教えてくれた。道中はゴハンやらお菓子やら飲物やらのカートが通り、通路側の席だった為何となく落ち着かない。

車中はうつらうつらして、やっと広州駅に着き、また人の流れに乗って入境手続きをする。室内は何となく暗い感じがした。無事入境し税関は素通り、出口を出て右に進み、そのまま再び人の流れに乗って(といっても人はまばら)駅前に出ると、“中国に来てしまった・・・”と実感。

すぐウロウロするとちょっと恐いし、眠気と緊張と疲れと不安でその場に佇み、人民の様子を観察(?)する。とにかく的士乗り場に行かなければ・・・と、的士の動きを追って乗り場を見つける。佇んでいる間に親子の物乞いが来たり、的士乗り場に向かって歩いていると30人くらいの集団喧嘩(?)を目撃、なんだか凄い所に来てしまった・・・と的士に乗ってから思った。

 

9月7日(土):11/26より転記

的士ではぼられた様子がなかったので安心。
が、正門前で降りてから「!!」と思う。ここで降りて何処へ行ったら良いのだ・・・とフト考える。とにかくまず外事処へ、と思い、門衛に尋ねるが「不知道」の一言。重い荷物を抱え途方に暮れながらも、すれ違う人々に聞きまくるが、ほとんどの人が「不知道」であった。荷物は重いし身体はだるいし気温は高いしで、池のほとりに佇んだ時はもう限界を超えていた。とにかくここで倒れていても仕方ないので、どうしても専家楼*1は見つけないと・・・と気力で歩き回る。途中、親切なおじさんや2人の学生に遭遇したが、それでも見つからない。

新大楼の下をヨレヨレしながら歩いていると、三人の学生が寄ってきて助けてくれた。心身共に限界なので彼らの言葉を信用し、手続きを手伝ってもらう。
代わりに外事処まで行ってくれたが、「没人上班」と言われ、ここで初めて「!?今日は土曜日だ!」と気付いた。しかも午後、夕方近くである。更に呆然としていると「招待所がある」と言うので連れて行ってもらう。が、土曜日だったせいか(?)満室だったので、わざわざ別の招待所まで探してくれた。部屋代は残りの港幣で払えたが、保証金分の300元はなかった(まだ両替してない)ので無理矢理(?)日本円を預ける。
部屋にやっと落ち着き、助けてくれた二人の名前も聞く(方さんと呉さん)。中文はわからない(忘れている)のでほとんど筆談。後日退房時も手伝ってくれるという。

部屋でひとりになった時、ようやくホッとした。ちょっときつかったけどこれもまた良い経験である。
朝からまともな食事もせず緊張と疲労を引きずって、長い一日であった。夜は20時頃に布団に入る。あと一泊するので荷物はあまり広げられず不便。早く専家楼に落ち着きたいと思う。大変疲れて日記を書くどころではなかった。

 

9月8日(日)

昨夜20時には眠ってしまったので、多少疲れが取れた。朝10時近くに起床。階下の服務台で電話待ちをしているところに方さんと呉さんが来る。一度部屋へ戻ってから三人で餐庁へ。
午後は広州在住の友人の助けで両替、友誼商店見学(?)、ゴハン、とこれまた世話になりっぱなし。非常感謝!
20時半頃学校へ戻る。給湯器のお湯は出が悪く、しかも熱湯。なので水シャワー。
明日は呉さんが手続きの手伝いをしてくれるという。全く知らない人なのにこんなに親切にしてもらって(しかも方さんにはお金まで借りている)嬉しいやら申し訳ないやら・・・。昨日体力の限界寸前(というか限界到達)で倒れてしまうかと思った時に助けてくれた人たちなので、きっと一生忘れないだろうと思う。
明日もまた移動なので、これから荷物整理。

 

9月9日(月)

6時頃目が覚めると雨降り。何だか少し涼しい。7時半過ぎに起床、のんびり用意をして8時半頃退房・・・と思っているところへ小姐が来たのでそのまま退房。押金*2を返してもらい、下の服務台へ行く。9時頃に方さんたちが来た時にはもう雨が上がっていた。
土曜日に行った外事処は閉まっていて、方さんと呉さんがあちこち聞きまわってくれた。外事処(専家楼)は一昨日彷徨っている時に上ろうかどうしようか迷った(疲れるので)坂道を上りきったところにあった。何度も通ったのに・・・。中国の学生とは隔離されているようであった。
方さんが土曜に着いたことや招待所に泊まっていたことを説明してくれた。すぐに宿舎に連れて行かれたが、みんなが住んでいる専家楼ではなくて、少し離れたアパートのような建物の部屋になってしまった。荷物を置いて教科書を渡され、荷解きもせずそのままいきなり授業に出ることになった。
クラスはA班(入門)で全部で8人。韓国人4人、タイ人1人、スウェーデン人1人、日本人2人。基礎の基礎、併音から。途中から加わったので何だか転校生気分である。授業の最後に先生が時間割を書いてくれたので、ここで初めて「読写」の授業だとわかった。授業は午前中で終わり。専家楼に着いてから他の日本人と知り合った。
早く入学登録をしたいので夕方事務室で学費、登録等について尋ねる。
夕飯はE姐*3と潮州料理。客より小姐の数が多い・・・。

 

9月10日(火)

朝は食べる物がないので何だか哀しい。今日は「読写」「説話」「聴力」を全て受ける。午前中はお腹が空いているのと眠いのとで少々ぐったり。
午後は居留証の手続きと授業料納入。小包が二箱届いていたので、E姐にカートを借りて郵局へ取りに行く。16時25分頃部屋を出て、帰ってきたら17時15分。到着したのは日本から送った航空便とSAL便。香港から送ったのはどうなってしまったのだろう。とりあえず本棚に本が並んだ。

+++追記+++
専家楼から学校の正門まで徒歩約10分、更に正門から郵便局まで徒歩約10分かかります。
郵便局に荷物が届くと“荷物来てるよ”という紙を届けてくれるので、その用紙を持って郵便局まで取りに行きます。

 

9月13日(金)

今日は説話のみなのであっという間に終わる。授業が終わったその足で郵局へ手紙を出しに行く。切手を買ったらお釣りが切手で返ってきた・・・。???
昼食は適当に済ませ、午後はお昼寝。が、15時半頃起こされて、いきなり広東語の授業に参加。何やら無料ということらしいが定かでない。説明が普通話なのでよくわからない。
17時半頃部屋に戻ると、服務員が昨日に続き熱水器の修理に来ていたが、また直らず水シャワー。

 

9月14日(土)

11時頃起身。買物もあるし掃除もしたい・・・と色々やることがあるなぁ、と思いつつのんびり動く。曇りで雨が降りそう。11時45分頃まで停電でウロウロ。15時前に開水*4を汲みに専家楼へ。また熱水器の修理に来ていたがもう直せないらしく、阿姨が「(専家楼の)○号室が空いているからそっちに移れ」と言った(と思う)。
それにしても香港から送った荷物、まだ着かないのか~?

 

9月16日(月)

朝6時近く、外から掛け声が聞こえる。1年生の軍事訓練だろうか。
昼食時、K小姐*5と一緒になったので引越の話をする。午後、広東語が終わってから阿姨に引っ越すことを伝える。K小姐に手伝ってもらい、夕方専家楼へ移動。

 

9月17日(火)

午後、友諠商店へ冷蔵庫を買いに行く。お店の人が配達してくれると言うが、専家楼の電話番号がわからなかったので、配送トラックに同乗してあちこちの配送先をまわってから21時半頃、最後に専家楼へ冷蔵庫搬入。
半日潰れたけど何となく楽しい一日。

 

9月18日(水)

午前中授業、午後少々昼寝の後広東語。途中で小包通知を受け取ったので、後半は抜け出して郵局へ向かう。香港からのだと思ったら船便がもう届いていた。三か月くらいかかると思ったら一か月で着いてしまった。香港からのは行方不明・・・?

 

9月19日(木)

午後E姐と沙面の衛生局へ行き、健診書を提出。どこの窓口に行ったらよいのかわからずウロウロ。中にいた女人から紙を渡され、検査して来い(と言ったような気がする)と言うが、恐い(採血等)ので事務室の奥にいる責任者らしき人のところに行き、サインをもらった。ここで50元払って書類を受け取る。昼食後、衛生局でもらった書類とパスポート、外国人登録の申請書、写真を公安局に提出。24日にまた受け取りに来なければならない。回家後はだらだらとテレビ。
小巴*6で駅の少し手前で降ろされ、駅前のバスターミナルに向かっている時に、前から歩いてきてぶつかりそうになった中国人がE姐のネックレスを奪って行った。昼間から堂々とあんなことがあるとは・・・。広州(駅前)は危険。すれ違う人には気を付けなければ、と思った。

 

9月20日(金)

今日は二時間なので楽。お昼は久々に和食、豪奢(?)に「金田中」。雨に降られて花園酒店で雨宿り。広東語には間に合わず欠席。16時半頃回家、何となく疲れて17時過ぎに横になる。
20時頃目が覚めると熱が出ていた(37.9度)。パンを少し食べて薬を飲む。関節と咽が痛い。21時半就寝。

 

9月21日(土)

熱が39度まで上がり、終日寝込む。食事中汗が出たので少し熱が下がったが、それでも38度は軽く越える。寒気がするので長袖に着替える。咳も出るが、気管から出てくる感じで少々怪しい。関節痛は腰に来ている。夕方洗手間に行った時、一瞬吐気が来て座り込む。単なる貧血か?
日中は雨が降ったり止んだり。雨の勢いも日本とは桁違いで、バケツをひっくり返したような感じであった。熱は38~39度の間を上がったり下がったり。明日も終日寝込む予定。

 

9月22日(日)

昨日に引き続きほぼ終日寝込む。熱は変わらず38~39度の間を保っている。丸二日間熱が続いたので、身体のだるさも慣れてきてしまった。朝は咽が酷く痛かったが、夜になって咳が頻繁に出るようになった。今日も夜は8元食堂。食欲はあるのかないのかよくわからないが、「栄養源だー」と思って平らげる。
寝てばかりいるのも退屈なので、少し広東語の勉強をする。「熱が出る」は“發焼”だけど、「熱が上(下)がる」は何だろう?と、使える単語から調べる。
食後解熱剤を飲んだせいか38.1度まで下がり、鼻水が出るようになった。

 

9月23日(月):高熱の為翌日記述

午前中は熱が下がっていたので、開水に水を足して行水、洗濯などをする。9時半過ぎ、阿姨が掃除に来る。テレビを見たり手紙を書いたりでずっと起きていた。昼前に食堂へ行く。T小姐*7から緑色の解熱剤をもらったので、食後に飲んで寝る。
フト目が覚めて熱を計ったら39.4度まで上昇していた。「!!」
午後から夜まで12時間ほど39度台を保つ。 一時39.6(7?よく覚えていない)度まで上がり、40度に達したら救急車かな、とぼんやり考える。
冷えタオルの代わりにタイガーバームを塗ったら、額とこめかみが涼として気持ち良い。熱のせいで熟睡出来ず、ゴロゴロと寝返りを打つ。顔が熱くて頭だけ冷蔵庫に入れたい気分であった。

 

9月24日(火)

朝は38度まで下がっていたので少し楽になった。10時頃K小姐と曁南の華僑医院へ行く。
受付らしきところで番号を書いた紙を受け取り、二階の内科へ行く。内科の服務台で聞くと待たずに診てもらえた。廊下で待っている人たちは何だろう?と思った。問診カード(ではなくて小冊子、カルテになっている)に名前等を記入し、簡単な問診と咽を見ただけで薬を出してもらった。薬の種類が書かれた紙をもらい、それを薬局横にある窓口で見せて料金を算出、会計でお金を払って領収書をもらい、薬局に行って薬を受け取る・・・という流れ。薬は箱ごとくれるので、スーパーの袋(病院名入り)も一緒にくれる。時間が余りかからなかったのでお昼までに帰って来れた。
ゴハンは昨日・今日と卵が出て栄養価が高くて嬉しい。

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小冊子式 診断内容と処方された薬
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領収書 かわいい薬袋(大きさ比較対象はスマホ

+++追記+++
この日は公安局へ居留証を受け取りに行かなければならなかったのですが、日記にはその件が記述されていませんでした。たぶんE姐に受け取りに行ってもらったと思うのですが・・・。何だか人様のお世話になりっぱなしです。

 

9月26日(木)

午前中はラジオを聞きながらぼんやりと過ごす。
部屋の窓から見える草原には黄色い花がたくさん咲いて良い風景。今日は日が射して風もあるので何だかほのぼの。会社に行っていた頃には想像できないのどかさである。蜜を吸いに来るのは蜂や蝶だけではなく鳥も吸いに来るので、見ていて飽きることがない。
昼は8元食堂、午後も基本的にぼんやり。

 

9月27日(金)

中秋節である。今日も天気は良い方であったが、昼食後に夕立。すごい雨が降る。
久し振りに授業に出るが、まだついていける範囲であった。

 

9月29日(日):眠くて翌日記述

昨日「香港群星耀羊城」という演唱会のチケットを購入したので、19時過ぎに小巴で天河体育館へ行く。
3列目なので期待していたが、思ったより遠くてよく見えなかった。古天楽・劉小慧・温兆倫・黎瑞恩・羅嘉良・みこ*8の順で歌う。
香港からの小包が届かないので、みこのテープも行方不明。でも初めて生みこを見て感動~。

*1:留学生用宿舎

*2:保証金

*3:日本人留学生.この日初対面

*4:沸騰した湯

*5:日本人留学生.ルームメイト

*6:ミニバス

*7:日本人留学生.隣の部屋の住人

*8:巫啓賢