緊急事態宣言から一週間

新型コロナウイルスが蔓延する前から巣ごもり生活を続けていますが、世の中がこのような状況で家にいることが出来るというのは(病気になったとはいえ)とても運が良いのでは? と、ふと考えました。

事の始まりは仕事の契約終了に伴い、無職になったことでした。
首都圏を離れて地方で仕事を探す、という選択も視野に入れて、それまで持っていなかった自動車の免許を取りに行き、健康面も気になっていた箇所を含め点検しておこう……と思ったら癌が見つかったという経緯。
都合の良いように考えると、まるで「コロナ感染を避けるため」に「無職」になって「癌を自覚させた」ような流れです。

たられば、で妄想すると、雇い止め(契約終了)されずそのまま仕事を続けていたら

 ● リモート不可能な業務なので出社していた可能性があった
 ● 癌は放置されて進行を続けていた
 (告知時はステージⅢbでリンパ節転移あり)
 ● 免許を取りに行ける時間は取れなかった

コロナが流行し始めてから、首都圏を脱出して地方に移住する人が増えたという話題も時々耳にします。免許を取った時点で身体のことを気にせず、そのまま地方就活を始めていたらまた違った未来があったかもしれません(ちなみに行こうと思っていた場所は今冬大雪で自衛隊が出動しました)。

本当に都合の良い考え方ですが、人生何が起こるか分からない、ということを、身をもってひしひしと感じています。

 

緊急事態宣言が発令されて一週間たちましたが、人出が減らない、若い人たちが云々という報道が目立っています。ニュースの街頭インタビューを受けていたある青年は「かかったらかかったで仕方ない」と答えていました。
体調に目立った変化がなければ、自分もそうですが根拠のない変な自信を持ってしまい、「病気になってもそんな大事にはならないだろう」と思ってしまうのです(自分だけかな?)。

若者だけじゃない、高齢者だって出歩いているじゃないか、という意見を時々ネットで見ることがあるのですが、「行動範囲の広さ」を指摘しているのではないかと思います。体力のある若い人は遠くまで出掛けていろんなお店を何件も梯子出来たりしますが、お年寄りは体力があまりないので、出歩くといっても電車やバスを乗り継いで多くの場所に遠出することは少ないと思うのです(中には若い人にも劣らない強靭な肉体と体力をお持ちのお年寄りがいるかもしれませんが)。

 

国の判断が~、知事の対応が~、と世の中が殺伐としていますが、「民は指示がないと動けないのかな?」というのがコロナな日々の正直な気持ちです。
仲の良い友人同士は、集えば無言でいられない。そこに飲み食いが加われば気心知れた仲間内でコロナ禍の不安が払拭される安心感が生まれ、食中食後にマスクを外して一言二言会話した瞬間の微量の飛沫で感染することもあるかもしれません。

感染防止のための行動は自分の判断で実行出来ることで、お役人に言われてやることではないと思うのですが、緊急事態宣言は出したら出したで「遅すぎる!」「もっと早く出せ!」とツイッターでは激怒(?)している人もちらほら。結果、民の行動の縛りが強くなり、入院勧告拒否者には罰則などという話も出てきました(そしてまた怒り、の無限ループに)。

誰かに怒りをぶつけても感染拡大は抑えられないので、せめて宣言発令期間中は対象地域の民は一丸となって感染防止に努めたいものです。

少し前に、ある内科医の方が

多くの人は大丈夫にさせておいて、ロシアンルーレット的に重症化させ、そして重症化した人を確実に集中治療室に追いやり、結果として重く医療を圧迫してくるきわめて狡猾なウイルス

と書かれていた記事がありました。
結構長いのですが、とても読みやすいので一気に読めます。

news.yahoo.co.jp

「狡猾」。まさにこの一言に尽きます。人間の「隙」をついてくるところは、妄想全開で言えば「意思を持ったウイルス」なのではないかと思わされます(実際そんなウイルスがあったら、ヒトなどあっという間に駆逐されてしまうでしょうね)。

「若者は重症化しないかもしれない」けど、後遺症が出た場合、その先の長い人生を後遺症を抱えて生き続けることになるかもしれません
コロナウイルスは全てが解明されている訳ではないので、あらゆる事態を想定すれば重症化するしない以前に、とにかく感染しない・させないことが重要だと思うのですが、自分も含め「コロナ慣れ」している人が増えているのもまた恐ろしいことだと思います。

 

恒例の定期検診で病院に向かう途中、車の中から外にいる人々を見ていて思いました。

命は卵の殻のようにとても脆いもので、ふとした油断から、今日元気な人でも明日は簡単に壊れてしまうかもしれない。
命は年齢や職業や貧富に関係なく、一人ひとつしか持てないんだよなぁ、と。

 

病院の帰り道、タクシーの中で聞いたラジオニュースから、東京都の感染者数が聞こえてきました。

「にせんごひゃく……」

耳を疑ったまま帰宅し、夕方のテレビでニュースを見ると
「1502人」
でした(1月14日)。

「1500人か...... 2500人かと思った...... 良かった」

 

良くない!
完全に「コロナ慣れ」していたのです。